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雑記+ブックレビュー

書評というほどのものはありません。読んだ本に絡めて、日々思うことなどを書いていこうと思います。

風景学入門

9年前に読んだ「風景の経験」以外には、あまり「風景」というものを正面から議論した本はみたことがありません。
当時にくらべて最近は、SNSにアップロードするために一般の人々も風景の写真を撮ることが多くなりました。
いろんな媒体で「絶景」ポイントが紹介されていたりするのですが、何をもって「絶景」とするかはなかなか難しい問題だと思います。
本書はたまたま本屋さんで見つけたのですが、1981~82年に書かれたとのことで何か古くからの定説などを知ることができないか興味を持って購入しました。

実際に読み始めると、私の苦手な民藝の話になってちょっと辛かったです。
わざとらしく華美なものはだめ、一方で何も考えずに実用一辺倒なのもだめ、人為を感じさせないような無心の人為により真の美しさが…というような、古典的な精神論もちらほらとちりばめられています。
私の読解力と美術的センスが不足しているのだと思うのですが、昔から私はこのような話になると何を言っているのかが全く理解できないのです。
ロマンチックな懐古趣味のようなものを感じます。

著者は、かつては町中から見ることのできた山々やちょっとした自然が、現在ではゴミゴミとした街に隠れてしまったことを嘆きます。
しかしこれは人口が増えてしまった以上どうしようもないことだと思います。
当時流行の田園都市のような理想を持っているようにも読み取れますが、田園都市そのものは外から見て美しく住むには不便で、かつ自動車が必須のため環境にも優しくないという特徴を持ちます。
本書は風景についてのみ論じているので、風景以外のことは考えないというのも正しい姿勢かもしれませんが…。

総体としては、現代に合致した内容の本ではないと思いました。
かつての思想を知るための歴史書としては役に立つのかもしれません。
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  1. 2018/02/17(土) 16:06:50|
  2. ★★★
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