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雑記+ブックレビュー

書評というほどのものはありません。読んだ本に絡めて、日々思うことなどを書いていこうと思います。

温泉療養実話集

1939年(昭14年)刊行の本です。
古本屋さんで見つけて購入しました。
amazonでは見つからなかったので、国会図書館の該当ページにリンクを張りました。
日本温泉協会と、現在のJTBの前身である日本旅行協会(ジャパン・ツーリスト・ビューロー)により編集されたものです。
内容は、全国から募集した温泉による病気の治癒体験談と、それに対応した医者によるコメントにより構成されます。

本書でも比較的多くの割合を割いているのが胃腸病とリューマチ、皮膚病です。
いずれも現代においても長年苦しむ人の多い病気ですが、薬の開発が進んでいなかった当時は西洋医学による改善効果が低く、どうしても温泉に頼る人が多かったのでしょう。
もう一つ、本書で大きく取り上げられているのが「中風」です。
私が子供のころはよく聞いた病名で「ヨイヨイ」などと称したりしたものですが、最近はあまり「中風」という言葉は使われなくなりったようです。
脳血栓、脳出血等により体の一部が不自由になった状態を指して言うのですが、本書では温泉につかることで中風が完治したとの報告もあり信じがたいところです。
信じがたいといえば、ぜんそくや脚気、糖尿病が温泉で治癒したとの報告もあり、ここまで来るとあまりにも真実味が薄いです。
実際に本書に執筆している医者も、これが温泉により治癒したのかどうか定めがたいという旨のコメントを残しています。

本書の中でたびたび現れる単語が「湯あたり」です。
私は湯あたりというのは、単に温泉につかりすぎてのぼせた状態を指すのかと思っていたのですが、これは全くの間違いでした。
温泉療法の初期には、むしろ症状が悪化してから症状が快方に向かうとのことで、この一時的な症状の悪化を「湯あたり」というのだそうです。
白内障の人は温泉療法を初めてしばらくすると全く目が見えなくなりその後視野が開けるとか、皮膚病の人は温泉療法の初期にはむしろ皮膚のかゆみが増してその後悪い部分がかさぶたのようになってはがれて完治するなどの例が示されています。
この「湯あたり」は温泉療法が効果を上げている証拠であり、ここで驚いて治療をやめてしまってはならないのだそうです。
とはいえ、本当にこれを真に受けてしまうと、悪化しているのに温泉療法を続けて手遅れになることもありそうですが…。

旧仮名字体ですが振り仮名が極めて多く、読むのには全く苦労しません。
古本屋さんで見つけたら買ってみるのもよいと思います。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000039-I001639433-00
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  1. 2018/02/11(日) 20:03:14|
  2. ★★★★
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