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雑記+ブックレビュー

書評というほどのものはありません。読んだ本に絡めて、日々思うことなどを書いていこうと思います。

現代建築の再構築

こちらも古本屋さんで見つけた本です。
約40年前に出版されたもので、それまでの「現代建築」への反省に立って今後どのように「再構築」されていくか、というような内容を期待していたのですが、実際は「現代建築」を振り返るだけの本だったように思います。
約2時間ごとの講演を文章に焼き直したものと、対談が収録されています。
登場する人物のほとんどは大正末期から昭和初期生まれの当時建築界の中枢にいた人々ですが、二つほど明治生まれの「巨匠」へのご意見お伺いインタビューが掲載されています。
どちらのインタビューもかなり難解な内容でとても分かりづらいのですが、どうやら工業化に対抗した手仕事の大切さとか、または歴史を学ぶことの意義などが述べられているようです。

確かに当時の建物に今入ってみると、いろいろと不備が目立ちます。
湿気をコントロールできないコンクリート張りの空間、暑すぎるか寒すぎるかのどちらかしかない空調、画一的で殺風景な外装など…。
かつての一軒一軒をオーダーメイドの大工仕事で作っていた建物と比較すると、そういった住居にすむ側も慣れていなかったこともあり見劣りするように感じたことでしょう。
その結果、「大量生産品は劣る」というような風潮になり、いわゆる「手仕事」が見直される契機になったのだと思います。
しかし、最近建てられた家や施設を見てみると、建材や設備、システム面の改善により快適さは大幅に向上しているように思います。
懐古的な人々はこぞって「大量生産品の欠点」をあげつらい、手仕事の優位性を主張したのですが、実際は大量生産自体に問題があったのではなく、大量生産の技術がまだ未発達だったというだけだったように思います。

本書も、それなりに快適な2017年時点における「現代建築」の中から見てみると、やや的が外れているところが多いように思いました。
その中でも日建設計の林昌二の文章は、芸術ではなくビジネスの世界で長年過ごしてきただけあって現実的な内容に思えました。
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  1. 2017/12/31(日) 08:15:32|
  2. ★★
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