雑記+ブックレビュー

書評というほどのものはありません。読んだ本に絡めて、日々思うことなどを書いていこうと思います。

外交五十年

古本屋さんで見つけた本です。
幣原喜重郎が最晩年に口述連載した、自らの外交官としての回想録です。
冒頭は将来日露戦争で敵味方となるロシア人将校と朝まで酒を飲んだというような話から始まるのですが、その後は戦前の外交についての核心的な裏話がたくさん述べられます。
首脳クラスになると私のような者からはいったいどのような仕事をしているのかさっぱり想像がつかないものですが、本書を読むと意外と普通の会社とやっていることは変わらないのだなと思いした。
連絡不行き届きで謝ったり、物事を前に進めるのに話を通しやすい人を探したり、センスのない人が見当違いのことを言いだして失敗したり…。
まだ生きていたり亡くなったばかりの人を悪くいうわけにはいかないので、基本的には幣原自身がある程度その人格を認めた人物ばかりが登場します。
もちろん、ある程度自らに都合がよいような脚色はあるでしょうが。

戦前も日本で多くの人が、中国への侵攻や各国との関係の悪化を押しとどめようとしていたことがよくわかります。
しかし関東軍が本国政府の制御を振り切って、独断で戦争をすすめてしまったという面が相当あったようです。
幣原自身は戦争になる前に様々な国の人と会っているので、彼らが極悪非道な相容れない存在ではなく、普通の人間であることはよく理解していました。
ただ中国もアメリカもロシアも、そして日本もメンツと排他的な気持ちから引くに引けなくなってしまった面もあったのかもしれません。

途中、幣原が腎臓結石に苦しめられながらも首相代理として奮闘した様子が述べられています。
苦しみぬいた末にビワの種大の石が排出されたそうですが、想像するだけでも恐ろしい話です。
現在は衝撃波や内視鏡で石を砕くことが可能ですが、当時は外科手術で切り開くしかなく、可能な限り自然な排出に任せるしかなかったのです。
恐ろしい話ですが…。
スポンサーサイト
  1. 2017/11/19(日) 22:39:53|
  2. ★★★★★
  3. | トラックバック:0
  4. | コメント:0

コメント

<%template_post\comment>


管理者にだけ表示を許可する

トラックバック

トラックバック URL
http://mietzsche.blog.fc2.com/tb.php/891-9c19d7ff
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

FC2Ad