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雑記+ブックレビュー

書評というほどのものはありません。読んだ本に絡めて、日々思うことなどを書いていこうと思います。

わが魂を聖地に埋めよ―アメリカ・インディアン闘争史

こちらも古本屋さんで見つけた本です。
南北戦争周辺のアメリカの歴史や、先住民と侵入者(主に白人)の闘争史などに興味があり、いろんな本を探していたのですが新刊書ではあまり見つかりませんでした。
本書は私の個人的な興味にはぴったり合うものです。

日本でもかつては今ほど差別発言に対して厳しくありませんでした。
そのため、カルピスのマークが黒人であったり、天才バカボンで片言の中国人を馬鹿にするような箇所があったりしたものですが、これらと類似の表現としてステレオタイプなインディアンというものがありました。
「インディアン、ウソツカナイ」と片言でしゃべり、口に手を当てて「アワワワワワ」と言いながら襲い掛かる、頭に羽根飾りを身に着けた集団。
私も子供のころ真似をして遊んだ覚えがあります。

あれからこのステレオタイプについて深く考えたことがなかったのですが、本書を読むといろいろと理解できることがありました。
「インディアン、ウソツカナイ」という発言の裏には、「白人は嘘ばっかりつく」というインディアン側の主張があったのです。
一方的にやってきた白人たちは、インディアンたちに土地の使用権を貸与するよう迫り、交渉の末彼らと無数の条約を結びました。
しかし、白人の民間の鉱山師たちは条約を無視して無断でインディアンの土地に入り込み、彼らの生活を妨げます。
さらに白人の軍隊は鉱山師たちの侵入を防止する手立てをとるどころか、現状を追認してインディアンに次々と新たな土地分与を要求し、拒否したインディアンに対しては「暴力を振るった」という名目で逮捕や戦闘行為に及びました。
なし崩し的にインディアンの土地は削られて行き、同時にインディアンたち自身も虐殺や戦闘行為により数を減らし、ついにはほぼ絶滅してしまったのです。

最近、アメリカでは南軍のリー将軍が人種差別主義者だったとして、その銅像を撤去するべきだと主張する運動が盛んです。
しかし、インディアン討伐を積極的に推し進めたのは、南北戦争で勝利した北軍のグラント将軍であり、その言動はどうひいき目に見ても人種差別的であったといえます。
結局のところ、現在のアメリカ国家自体は過去の白人による略奪を基礎として成り立っており、これはリー将軍とかグラント将軍といった限られた人物の責任ではなかったということなのでしょう。

初版発行が1972年、原書の発行が1970年とかなり古い本ですが、内容は全く古さを感じさせません。
読みやすくて内容の濃い、とても面白い本だと思います。
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  1. 2017/09/24(日) 20:56:19|
  2. ★★★★★
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