雑記+ブックレビュー

書評というほどのものはありません。読んだ本に絡めて、日々思うことなどを書いていこうと思います。

アメリカは食べる。――アメリカ食文化の謎をめぐる旅

古本屋で見つけて購入したものです。
私は、アメリカは2回、東海岸にそれぞれ一週間ずつ行ったことがあるだけなのでアメリカの食というものに対する経験はほとんどゼロに近い状態です。
同行の人はアメリカといえばステーキという印象が強かったようで、その2回ともステーキを食べに行ったのですが、個人的にはステーキはとてもおいしいとは思えませんでした。
一口食べるだけならよいのですが、それ以上だとすぐに味に飽きてしまうのです。
一方で、私が食べた魚料理やカニなどはとてもおいしく、アメリカ=大雑把というのも間違っているのだなと思った記憶があります。

本書は見た目が会社四季報のような分厚さを持っているのですが、その内容も単に食べ物にとどまらず、アメリカの文化にまで深く切り込んでいて重層的です。
著者のもともとの専門は音楽にあったようなのですが、そのためかアメリカの歌謡曲がしばしば引用されており、それでもってアメリカ人の文化的背景を説明しています。
私にとっては東海岸も西海岸も中部もハワイもあまり違いがよくわからないのですが、著者はそれぞれの地域に住みついた民族グループから説き起こして、それぞれの「お国料理」やその意義が解説されています。

前半はイギリス系、スペイン系、フランス系、黒人…などといった各民族集団由来の食べ物が紹介されています。
そして基本的にはどれもおいしい食べ物が主に取り扱われており、ここだけを見るとアメリカの食と文化の礼賛のように見えます。
しかし、後半になると一転してやや沈んだ雰囲気になります。
アメリカの食は、それぞれの民族集団が故郷の料理を、材料が十分に入手できない中で何とか再現しようとしてきた結果であり、
誰もが、自分の国を捨てて作り上げたアメリカ料理だからこそ、そこに望郷の思いが隠されている。
そうなのだな、アメリカの食をコーティングしているのは、あるいは隠し調味料はホームシックという気分だアメリカ料理にノスタルジーを感じてしまうぼくには、そう思えて仕方がない。
と述べられます。
アメリカのノスタルジーについては正直言って私にもよくわからないのですが、アメリカの「日常の」食べ物が全体的に彩りがないのは感じます。
または、食べていて寂しい気持ちになります。
おいしい、おいしくないというのとは別の感情です。
私がアメリカでは異邦人だからにすぎないのかもしれませんが…。

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  1. 2017/08/21(月) 23:37:45|
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