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雑記+ブックレビュー

書評というほどのものはありません。読んだ本に絡めて、日々思うことなどを書いていこうと思います。

バイーア・ブラック―ブラジルの中のアフリカを探して

ブラジルのバイーア州サルヴァドールは、16世紀から200年以上にわたってブラジルの首都機能を果たしてきました。
そのため、当時盛んであった奴隷貿易によりアフリカから大量の奴隷が運ばれてきた土地でもあります。
ポルトガル当局はアフリカの土着の宗教を禁止したのですが、奴隷たちは巧みにカトリックとアフリカ宗教とを混交させて、あらたなブラジル特有の宗教を作り出しました。
本書では、カーニヴァルをはじめとした西欧由来の風習と、アフリカの中でも特にヨルバ族由来の文化が混ざり合ったさまを、現地取材した記録が収められています。

著者の本業は写真家だけあって、巻頭に収められているカラー写真はとても美しいです。
とくにポンフィン教会の前で行われるお祭りの写真は見事だと思いました。
ポンフィン教会はカトリックなので、本来はアフリカ由来の宗教行事を行うことはできません。
しかし、奴隷の子孫たちはヨルバの神様にささげる祭りを教会の前で大々的に行います。
黒人女性たちが真っ白な服と白い花を持って集まるさまは本当に活気を感じさせられます。

一方で、文章のほうは個人的には少し読みづらく感じます。
一昔前のグラフ誌によくある、やや砕けた口語体なのですがあまり長い文章には向いていないように思いました。
うまく文体を説明できないので、一部引用します。
一人のおじさんが私に「鞄に気をつけろ」という仕草をする。
ウンウン、と軽く頷く私に、外国人の私は理解していないのか、というようにおじさんは時計をかっぱらう仕草をしてみせて、もう一度しつこく私に注意を促す。
親切なのだ。
ああ、だけどもう止めて、分かっているから、私だって気をつけなければいけないことぐらい。
私はサルバドールの人々がどんな気持ちかも一応知っているつもりだ。
彼らは被害に遭うのを恐れている。
誰だってそうだ。
私だって遭いたくない。
だけど、いつも彼ら子供たちをそんな目で見るなんて、やっぱり失礼じゃない?
彼らも子供なのよ。
時には無邪気に遊びたいでしょ。
誰かに甘えたかったり、恵まれた気持ちのいい生活をしたいって切望しているんじゃない?
「一昔前のグラフ誌」とかきましたが、実際本書が出版されたのは1997年なので「一昔前」の文体なのはやむを得ないところです。
しかしそれでも私には相性が悪く、読み進めるのに多少の苦労を要しました。
また、途中でヨルバの神話に関する解説もあったりするのですが、こちらも文章がやや散漫なために少しわかりづらいです。
写真が主で文章が従となるような本のほうが著者には向いているように思います。
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  1. 2017/08/14(月) 23:07:23|
  2. ★★★
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  4. | コメント:0

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