雑記+ブックレビュー

書評というほどのものはありません。読んだ本に絡めて、日々思うことなどを書いていこうと思います。

電波女と青春男

ARIEL」以来、久々に読むライトノベルです。
本作は漫画版のほうを読んだことがあるのですが、途中でやや唐突に終了してしまったので続きが読みたくて原作を読んでみようと思ったものです。
一般的に漫画より原作小説のほうが進みが早い上に、漫画版はアニメ化などの旬の時期が過ぎると容赦なく終了してしまうので、こういったライトノベル原作の漫画が途中で終わってしまうのはやむをえないのでしょう。

両親の海外出張に伴って父方の叔母宅に住むことになった高校生丹羽真。
都会暮らしの浮き立つような気持ちは、想像以上にエキセントリックな性格の叔母と、その娘(従妹)により暗雲が立ち込めます。
ほとんど初対面に近い従妹は、半年間神隠しにあったのちに自分を宇宙人だと主張しはじめ、なぜか布団でぐるぐる巻きの格好で日常を過ごすようになっていたのです。
高校も退学してほとんど引きこもりに近い状態の従妹は、神隠しののちに発見された場所である海岸を毎晩訪れては、自らが宇宙人であることを証明しようと絶望的な努力を続けます…。

著者の入間人間のデビュー作である「嘘つきみーくんと壊れたまーちゃん」はかなりシリアスな作品で殺人などの描写もありましたが、本作はどちらかというとコメディタッチです。
ぱっとしない男子高校生がなぜか複数の美形女子からモテモテだったり、その高校の学園祭が異常なほど豪華な内容だったりと、いわゆる「お約束」な内容ではありますが、それでもそういうものだと割り切って読めばとても面白い作品だと思いました。
ライトノベルでは、読みづらい凝った文体で内容があまり伴わないというのがありがちなようです。
本書の文章も独特で読みづらいのですが、それでも読みなれてくると著者のとても高い文章力が感じられます。
とくに緊迫した場面における感情の移り変わりは、本当に「読ませる」描写だと思いました。

本作は漫画版よりはかなり先までストーリーが続くのですが、それでもやや最後は消化不良です。
ライトノベルは続きものである以上、次巻を買ってもらうためには伏線を残す必要があります。
一方で終わるときには終わらなければならないので、広げすぎた伏線が回収しきれないのかもしれません。
(「ぼくは明日、昨日のきみとデートする」の著者の七月隆文が本作の映画化で忙しくなったためか、「俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件」をまるで打ち切りのように唐突に終わらせたのも類似の現象だと思います。)
連載漫画でもそうなのですが、幸福な最後を迎えられるライトノベルはもしかしたら希少なのかもしれません。
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  1. 2017/05/07(日) 22:02:40|
  2. ★★★★★
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